sisouron

都市を多面的に観察したい

語りと繋がり

 先日友人と夜な夜な電話をしていた。私は夜更かしして電話をあまりしたことがないが楽しかったのでその時に話したこととか感じたことをまとめたい。

 ◼ネットが発達している現代において敢えて直接話をすること
 通信の発達によって我々のコミュニケーションはどんどん簡略化されていった。手紙は電話に、電子メールはTwitterやLINEに変わっていった。私が中高生の頃はまだコミュニケーションがメール中心だったのでLINEを導入してからはその気軽さに感動した。
 しかしそれでも私はこうして夜な夜な電話をするし人と直接話をするためにわざわざ会いに行く。伝えるのはTwitterやLINEで十分なのにお互い予定を擦り合わせて会いに行くのは何故だろう。
 
◼会話が苦手な人
 ところでコミュニケーションが苦手な人にとっては直接会って話すこととTwitterやLINEで連絡するのはどちらが楽なのだろう。
 私の好きな作家である河野裕氏の小説には話すのが苦手なキャラクターが出てくる。この人は言葉に対して重い責任感を持っていて正しい言葉を伝えるために凄く時間をかけてしまう。だから直接会って話すことが出来ず返答を何枚にも渡った手紙にして返す。相手に100%自分の意思を伝えることは出来ないからそういった気持ちは分かる。
 一方で私は直接会って話す方が楽だ。どんなに手紙にして丁寧に気持ちを伝えるにしても100%は伝わらないだろう。それなら直接会って表情やジェスチャー等といった非言語のコミュニケーションを組み合わせて言葉以外の情報量を増やした方がいいのではないかと感じる。しかもその場にいれば「これはこういう意味じゃなくてね」と説明することも出来る。
 こうやって考えるとLINEとかTwitterって気軽だけど代償として相手に伝える言葉の丁寧さや重みは薄れてしまったのかもしれない。しかもTwitterやLINEの会話には時間差が存在する。ライブ性が無いと言えるのかもしれない。
 こうして考えるとこれからもっとコミュニケーションが気軽になったとしても人と直接会って話す行為は無くならならそうだし、むしろこの気軽な世の中にわざわざ直接会って話すのは贅沢な行動になっていく気がする。もっと贅沢しよう。